概要
※5章3『〝ありがとう〟そして〝さよなら〟』は【グロ・カニバリズム注意】です。
【更新履歴2020】
7月11日 新人賞落選を確認したため、再度公開しました。
→改稿版はこちら https://kakuyomu.jp/works/1177354054894487385
2月9日、公開取り下げまで不定期でおまけ短編を更新します。本編読了後にお楽しみ下さい。
・新人賞に応募するため、2020/3/1 23:59で一旦公開を取り下げます。ご了承ください。
1月5日
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その国における、「人を食べる」ということ。
文化人類学を志すイオは、未知なる文明の国に現地調査へ赴く。
そこでは、食人の文化が色濃く残っていた――。
素晴らしい。
本当に素晴らしい。
SFやファンタジーを書くのであれば、文化人類学は学びなさいと、とある編集者が言っていたことを思い出します。
自分たちとはちがう環境や常識で生きている人びとは、無知や野蛮なのではなく、ただただ文化がちがう。その文化がどうちがうのか、どのような宗教形態を持っていてどのように思考し、どのような事柄が生活様式を形作るのか。
これらをきちっと詰めている物語は骨太で面白い。
この物語は、まさにそれをひたすらに極めたお話です。
もうほんと、読んで!
はじめはちょ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!重厚。食人文化と価値観を描いた本格異文化ファンタジー。
食人と共食いでしか「肉」を食べられない種族、魔族。そんな魔族の社会が文化的に発展したとき、食人はどのような形で行われるのか。文化や価値観、宗教観はどのように形作られるのか。それらを魅力的に描き切ったのが本作です。
人間社会で生まれ育った主人公と、魔族社会の貴族との価値観の相違がとにかく面白く、しかもドラマの中で新たに見えてくる側面もあって飽きません。
その作りこみの深さやモキュメンタリーという表現形式から、どうしてもWEBの流行からは外れた重厚な作品になってはいますが、それでも一気に読んでしまうほどの魅力があります。
良いものを読ませていただきました。 - ★★★ Excellent!!!昨日傍にいた誰かが、いつかは食卓にのぼるかもしれない。
どうしようもない好奇心から魔族と恐れられる有角人の国を訪れたイオ。
そこで彼を迎えたのは隻眼の貴族カズスムクや彼の友タミーラク、婚約者ソムスキッラを初めとした人々。
彼らは皆、絢爛でありながら『同族を食わなければ生きていけない』という過酷な社会に生きている。
物語は、イオの手記を彼の孫レイアが再編しているという形で始まる。
イオは初め、その驚異的な好奇心のままに有角人の文化や儀礼を貪欲に学んでいく。
しかしやがて、彼が衝突する圧倒的な『断絶』の壁。
『わかりあえるかもしれない』から『わかりあえるわけがない』に至るまでの過程は、圧倒的な描写と精緻な世界によって裏打ちされ、読者にも抉り込むよう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的な世界観、それを活かす上質なストーリー
文化人類学者の主人公が、人食い文化を持つ有角人たちの国を訪れる。この作品はなんといっても設定の練りこみが驚異的。
人食い文化の中でも「共食い・同族食い」に焦点をあてているのが個性あり。「食べられるものVS食べるもの」という定番の構図を超え、「食べられるものであり食べるものでもある」この複雑で悲しみと食欲が混ざり合う怪しい関係性が実に魅力的。
貴族たちの文化風習と儀礼はどれも華やかで、だからこそ異質さが際立っている。
この作者さまは以前から世界観と家族関係の描写がすばらしかったのですが、本作ではさらに磨きがかかっていて圧巻のおもしろさに仕上がっています。