巡恋華

俺・藤堂陣八は、平々凡々たる20代後半のサラリーマン。
強いてほかと違うところをあげるとすれば……亡くなった従兄の娘・加奈子を引き取って、兄妹として一緒に暮らしているところかな？
ところが、目の中に入れても痛くないほど可愛がっている大事な大事なその妹・カナの様子が、13歳の誕生日の晩、突然おかしくなった。
本人いわく、自分は俺達のご先祖様で、子孫のひとりであるカナに転生し、その記憶(いしき)が今夜目覚めたのだとか。
72歳で大往生し、子供どころか孫までいた｢御先祖様(かのじょ)｣の現状は、｢心は婆ぁ、身体は小娘｣の、まさにロリババア状態。
戸惑う俺に対して、生前は優れた陰陽師でもあった｢彼女｣がある提案をしてくるのだが……。