概要
あの残酷な季節、わが母校 朝陽野高は乱れ、荒れていた。
1980年、秀才が集う進学高校。生徒会とサッカー部は部費承認をめぐり対立。不良の巣窟サッカー部の逆襲は学園を荒廃させ、恐ろしい連続殺人につながって行く。進路と恋に揺れる生徒会長ら3人は、テニス部の美少女たちに心奪われるが、その一人がある日行方不明となり・・・。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!1980年の空気感と青春の焦燥。緻密に構成された学園ミステリー
1980年代の地方進学校を舞台にしたミステリー作品です。当時のヒット曲や世相といったディテールが的確に配置されており、その時代にタイムスリップしたかのような高い没入感があります。作家の辻村深月さんの作品を彷彿させます。
本作の最大の魅力は、連続殺人の謎解きというサスペンス要素と、登場人物たちの「青春の痛み」が論理的かつ立体的に交差している点です。優等生が抱える将来への葛藤や、不良少年の不器用で純粋な恋愛など、彼らの内面が非常にリアルに描かれています。
平和な学園生活と恐ろしい殺人事件という明暗のコントラストが絶妙で、「解けない方程式」というタイトルの謎掛けが読者の知的好奇心を強く刺激しま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!青春は、いつだって綺麗な方程式では解けない
教室のざわめき、部活動の熱気、進路への焦り、恋に揺れる心。
本作には、青春という言葉だけでは括れないほど、生々しく、眩しく、少し危うい高校時代の空気が閉じ込められています。
舞台は1980年。今とは異なる価値観や学校文化が丁寧に息づいていて、その時代を知る人には懐かしく、知らない世代にはまるで一つの異世界を覗くような新鮮さがあります。
特に魅力的なのは、ミステリーでありながら「事件」だけを追わせないところ。若さゆえの自意識、友情、恋、立場の違い、正しさの衝突――そうした人間の感情そのものが物語を動かしているため、登場人物たちが単なる謎解きの駒に見えません。
軽やかな青春の日常と、その…続きを読む