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概要

彼の奇妙で不可思議な小説家としての道はここから始まった
現在、私の目の前の水平線の彼方に黒い巨大な影がゆっくりと浮上した。想像を絶する大きさのそれは、波を押し退けながらこちらを遮るように尾ビレで体全体を隠し海の底へと潜っていった。それは手を伸ばせば届く範囲に居ながらも、どこか遠く及ばない壮大な存在と私の思考が告げた。
 恐怖が全身を駆け巡る一方で、私の胸の奥では奇妙な高揚が湧き上がっていた。この目の前に非現実的でありながらも、確実に存在する奇々怪々と呼べる存在が目の前にいたのだ。頭の中には創作のアイディアが思い浮かび、もはや私の頭の中は次書く小説の内容を考え始めていた。もう少し…もう少しだけ、私に刺激を与えてくれる海を眺めていたいと思う、そんな衝動を必死に抑え込み、私は静かに荷物を抱えて灯台へと足を踏み入れた。
 一週間だけ孤島の灯台で過ごし1千…続きを読む

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