概要
あの日、姉が負ければいいと、少しだけ思ってしまった。
姉の背中ばかりを見て育った静佳は、比べられることに息苦しさを感じていた。ある朝、姉の部活の試合に向かう姿を見送りながら、ほんの少しだけ「負ければいい」と思ってしまう。静佳は、その日の夕方、事故に遭い、両親とともに命を落とした。この世に取り残された彼女は、生き延びた姉を探し続ける。嫉妬と後悔、言えなかった本音。姉は負けなかった。試合にも、人生にも。姉に再会した時、静佳はようやく、自分の黒い感情を手放そうとする。風が吹き、裾がわずかに揺れた。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?