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概要
10年越しに雪の中に咲く紅い華は愛の象徴
『雪の中に咲く紅い華』は、戦争の灰色の時代を生き抜いた一人の男の、喪失と再生を描く長編恋愛小説である。少年期を戦時下で過ごし、軍需工場で工業用ダイヤモンドの加工に従事していた下田康介。空襲で焼け野原となった雪の街で、赤い服をまとった幼なじみ・ひろみを救い、手作りの指輪を贈ったあの日の記憶は、彼の胸に深く刻まれていた。やがて終戦、高度経済成長の波に乗り営業マンとして成功を重ねるが、都会的で理知的な婚約者との別れを機に、康介は自らの心の空白と向き合うことになる。雪の結晶とダイヤモンド、破壊のための技術と愛の象徴。その対比のなかで、彼がたどり着く本当の輝きとは何か。十年の時を越え、再び舞い降りる雪の中で、紅い華は静かに、しかし力強く咲き誇る。
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