「おれ」こと山崎は中嶌の「最悪」という言葉に傷つきます。二人には距離が生まれますが、しかしそれは付かず離れずの絶妙な距離感でした。すれ違いが生じているけれど、漂うのはなんとなく穏やかな雰囲気。それはきっと男同士だからこそ生じる空気感なのだと思います。言葉足らずで生まれた距離ですが、この二人がそれを縮めるのに過剰な言葉は必要ありません。でも勢い余って出てきた言葉も聞きたいですよね?それが聞けるのが本作です!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(46文字)
彼の一言が心に残っている。何の目的もないまま連れ立って歩いた。その素っ気のない素振りに腹が立つ。蝉の声が降りしきる中で、彼らは述懐する。真実か挑戦か。言葉の足りない告白に、お互いの心が少しずつ歩み寄る。きっと不器用な二人。今はまだ、ぎこちない関係。けれども、彼らの絆には真実しかない。
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