概要
山には神が棲んでいて、その姿は女の形をしているという
厳冬期の穂高連峰。
陸翔は双子の弟・海斗とともに山頂を目指す。しかし、凍てつく稜線と吹雪が二人を襲い、現実と幻覚の境界は崩れ去る。過去の記憶、潮の匂い、赤子の声、そして山に宿る女の気配――極限状態の中で、陸翔は命を繋ぐザイルの行方と、弟の運命を追い続ける。
雪と氷に閉ざされた静寂な世界で、兄弟は生と死、執着と愛欲の狭間に立たされる。
最後に待つのは、失われたはずのザイルだった。
陸翔は双子の弟・海斗とともに山頂を目指す。しかし、凍てつく稜線と吹雪が二人を襲い、現実と幻覚の境界は崩れ去る。過去の記憶、潮の匂い、赤子の声、そして山に宿る女の気配――極限状態の中で、陸翔は命を繋ぐザイルの行方と、弟の運命を追い続ける。
雪と氷に閉ざされた静寂な世界で、兄弟は生と死、執着と愛欲の狭間に立たされる。
最後に待つのは、失われたはずのザイルだった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!遭難で弟を失った兄が、因縁の冬山で怪異と家族の呪縛に直面する
北アルプス・穂高連峰を舞台に、極限状態での「生への執着」と「罪悪感」を鮮烈に描く山岳スリラーである。優秀な双子の弟だけが愛された家庭環境という背景が、生存者となった兄の孤独を深めている。新穂高ロープウェイや西穂山荘などの詳細な情景描写が秀逸で、山岳信仰や「姑獲鳥」の怪異を織り交ぜることで、単なる遭難事故に留まらない幻想的な恐怖を構築している。亡き弟の恋人・咲乃が夜の山荘に現れる幕切れは、背徳感と不気味さが入り混じり、読者の心理を巧みに揺さぶる。
山岳小説や心理的なホラー、因習・伝承にまつわる物語を好む読者におすすめできる。