最終話への応援コメント
連載お疲れ様でした。描写の密度が凄まじく、読み応えのある野心作でした。
「なぜ山に登るのか」
「そこに山があるからだ」
という有名な問答がありますが、陸翔もまたそうだったのかもしれないなあと思いました。山という極限の環境を通して自分の内面と向き合う。彼が本当に対面したかったのは、弟の死ではなく、自分自身の中にいたかもしれない怪物だったのかもしれません。
ザイルに刻まれた答えは彼を救ったのでしょうか? 案外そうかもしれないと思いました。あの皮肉な答え。絶望の中で兄を守りきった弟の純真さ。あるいは両親は息子たちのその性質を見抜いていて、そのために海斗だけを愛したのかもしれません。だとすれば、今回の登山で陸翔が喰われそうになった怪異とは、自分自身であったのかもしれません。
勝手な妄想を書かせていただきました。読み取り間違いをご容赦願います。
白と青の悪夢、面白かったです。
作者からの返信
青出インディゴさま
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
そうですね。なぜか、登ってしまう――それが「山」なのかもしれません。
陸翔は登る間ずっと、自分自身に問いかけていたのだと思います。自分なのか、双子の弟なのか、あるいは咲乃なのか。
ただ確かなのは、ザイルの断面という真実だけだったのかもしれません。
コメントから、物語の奥まで読み取ってくださったことを嬉しく思います。ありがとうございました。
最終話への応援コメント
雪山、自然の脅威と魅力が溢れておりますね。雪原、その真っ白な世界にザイルの鮮やかな色合いがあるんだろうと思うと、傷口にだって見えてくるものです。
ザイルって鮮やかですよね、雪山に驚く程に浮いて見えます。頑丈で安々と切れもしない、登山の命綱であり先を進む誰かを辿れる道標でもある。
汚れもない雪から覗くザイルは、きっと強烈な色をしていたでしょうね。いやぁ、面白かったです。
一番びびっとなったのは、やっぱり電池の味、ですね。バッテリー液のあのエグさまではないにせよ、鉄と電気の味がするんですよねー。凄く分かる、凄く刺さる。
ちょっと皆さんも電池舐めてくださいって言いたい。
作者からの返信
千古不易さま
ここまでお読み下さりありがとうございます。
ザイルもそうですが、ウェアも映えます。「何かあっても見つけやすいように」という自然界にはない色を選択するものですが、それが鮮やかで、しかしどこか場違いなような、そんな感覚にもなります。
>電池の味
まあ、ここはそうですよね(笑) ええ、人体って神秘で不思議ですよね。
最終話への応援コメント
雪山の描写が圧倒的で、静寂と驚異が伝わってきました。
海斗を見捨てたかもしれないという疑念、醜い嫉妬と罪悪感。
肉体的にも精神的にも極限の状態で出会う怪異……。心理ホラーでしたね。
兄を助けようとしてザイルを切っていた海斗。
自分が助かるためにザイルを切っていた陸翔。
真実が明らかになったときに見た澄み渡る青は、山を愛していた海斗のもの。陸翔の手は届かない。
あの夜の咲乃は、陸翔の罪を確かめされるために現れた神話的な存在?
……深くて、高くて、読み込めてない部分が多そうですが、読み応えがありました。
作者からの返信
角山 亜衣さま
ここまでお読み下さりありがとうございます。
心理ホラーというお言葉。極限状態の雪山で暴かれるのは自然の猛威以上に「人間の内面の醜さ」であるという点を描きたかったので、そこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです。
また、ザイルの断面に込めた「兄と弟の相反する意思」と、ラストの「海斗の領域である青」という対比に気づいていただけたことで、この物語を完結させて良かったと心から思えました。
咲乃が何者であったのか……。角山さんがおっしゃる通り、彼女は陸翔の罪を暴くための、山が遣わした鏡のような存在だったのかも、しれませんね。
深い読み込みと温かい感想、本当に執筆の励みになりました。
改めまして、ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。
編集済
最終話への応援コメント
雪山の解像度の高さ、「ザイルの行方」…ハッとしました…陸翔は少しだけ空を見ようとすることがこれからもできるでしょうか…と彼に寄りながら考えています。
「なぜおまえだけが助かったのか」
親なら、関係の良し悪しがあろうと、口にする可能性が高いと思います。
陸翔に比べて海人の方を両親が重要視していて、陸翔を責める描写がありましたが、そういう親もいると思いますが、この部分が気になりました。
私も2人の息子の母親だからです。
描写や設定に難があるわけではないのです。
1人の母親として、違和感を禁じ得なかったのです。
読み込み不足、解釈違いでありましたら、申し訳ありません。
ホラーでなく現代ドラマとして読んでおりました。
満足度、高いです。
作者からの返信
アサカナさま
ここまで丁寧にお読みくださり、ありがとうございます。
「ザイルの行方」に触れてくださったこと、とても嬉しく思いました。陸翔がこれからも空を見上げられるのか――それは私自身も考え続けている問いです。
親の言葉についてのご指摘も、深く受け止めました。
たしかに、どれほど関係に軋みがあっても、「なぜおまえだけが」という言葉をぶつけるかどうかは、読み手の立場によって受け止め方が大きく分かれる部分だと思います。
本作では家族の歪みをあえて強調して描いております。ですので、アサカナさまのご指摘は決して読み込み不足などではなく、むしろ一人の母親としての視点から率直な違和感をいただけたことは、作者として大変ありがたく、貴重なものに感じております。
改めまして、最後までお読みくださりありがとうございました。
編集済
最終話への応援コメント
自責的に話が終わるのかと思いましたが両方だったのですね。
経験がないのでわからないのですが、テンションかかったザイルを両端で同時に切れるものなのでしょうか? もしかすると、海斗が切った後にも、何者かがザイルを引いて陸翔も連れて行こうとした……ような気もします。
雪中サバイバル物好きなので楽しめました。死の傍に情欲を混ぜてくるところも。
頭の中の小さな赤ん坊の所だけはスケール感が分からなかったのですが、まあ夢の中だしそんなこともあるよねと。ただ、口から耳へと開くと、断面はせいぜい小脳かなとか、スプラッタホラー好きはすごくどうでもいいことを考えましたスミマセンw
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あ、すみません。読み返したら割れたのは頭蓋ってありました。口が裂けるのに引っ張られてました。重ね重ねスミマセン。
作者からの返信
あんぜさま
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
ラストをそのようにお読みくださり、ありがとうございます。
もしかしたら――海斗と陸翔の選択だけでは語りきれない何かが、あったのかもしれません。
現在のザイルは、老朽化や重大な損傷がない限り自然に切断されることはほとんどありません。過去の事故を契機に品質基準や安全管理が見直され、現在ではザイルそのものが原因と疑われる事態は極めて稀と言ってよい状況です。人命救助にも用いられる装備ですので、その信頼性は相応のものとお考えいただければと思います。
とはいえ、本作ではそのあたりの描写がやや不足していたかもしれません。申し訳ありません。
>雪中サバイバル物好きなので楽しめました。
>死の傍に情欲を混ぜてくるところも。
私も好きです。
極限状況だからこそ浮き上がるものがあると感じています。
改めまして、最後までお読みくださりありがとうございました。
第七話への応援コメント
窓というのは、あちら側とこちら側を分ける境界の象徴で、そこから覗き見えるあちら側の世界というのは、絶対見ない方がいいのに見てしまうんですよね。
そして主人公は弟の恋人にそんな感情を抱いていたのですね。これまで語られていなかったってことは、深層心理か、はたまた罪悪感か。
ただ、開けて欲しいと乞いながらも、招かれない限り自ら入ってこない存在っていうとだいたい……。
ホラー系のゲームをやっていると、やっちゃいけないことがわかっていながら、手を出さないと面白くならない、あの感覚が思い出されますw
作者からの返信
あんぜさま
人間とは不思議なもので、「ダメ!」と言われると「でも……」と心のどこかで思ってしまうものなのだと思います。
>ホラー系のゲーム
ありますねw
映画なんかでも「いや、お前。絶対そこ行ったらあかんやろ!」と思いながらも、行ってくれないと進まないし、みたいな相反する妙な感覚ですね。
最終話への応援コメント
描写力に圧倒されました。完結おめでとうございます。
作者からの返信
雨後乃筍さま
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
描写には力を入れましたので、そのように言っていただけると、作者冥利に尽きます。
また、素敵なレビューもいただき、本当にありがとうございます。