概要
異教の影響が色濃く残る太古の森は、帝国人の彼にとって未知の脅威にあふれていた。
やがて仲間を殺され、絶体絶命の状況に追い込まれるクロトール。
そんな彼を救ったのは、異端ともいうべき魔女集団、<永遠の夜明け>の恐るべき黒魔術だった——
聖職者である彼が、魔女の一団と手を組むことになった理由とは?
その決断は、帝国の未来に何をもたらすのか?
これはある男の、苦悩と希望の物語である。
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- ★★★ Excellent!!!内なる神を訪う、魂の巡礼
ある任を帯び、<黒鉛の森林>へと赴く異端審問官クロトール。
神に仕える彼が、この地で一体なにを得て、どこへ向かうのか。
重厚な筆致で描かれるダークファンタジーであり、文章そのものから立ち上るような雰囲気が、仄暗くも生き生きと世界の有り様を描き出してくれます。
登場する人物は、当世風の型に嵌まらずともしっかりと"立って"いて、一人一人の言動から目が離せない個性に満ち満ちていました。
特に主人公であるクロトールが好きですね。
堅物ながらもどこか茶目っ気があり、それでも決めるときはきちっと決める。
超自然的な存在から名のある剣を与えられるというエピックな要素を持ちつつも、蓋世不抜の英雄というわ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!帝国の版図の“外”にあるものとは
異世界ファンタジーを舞台に、帝国の異端審問官の視点から描かれる未開拓地域に住む人々の文化、生態、生き様が描かれます。
征服者と非征服者という単純な話ではなく、その地に根差した人たちの思想や生活、信仰(アニミズム的な)がつぶさに描写されており、非常によく練られた文章と表現力がとても魅力的です。
キャラクター一人一人のバックボーンがよく作り込まれていて、その人物の生い立ちやまだ明らかになっていない目的など、この先どうなっていくのか夢中になります!
ファンタジーでありながら硬派で重厚な雰囲気を感じさせつつ、登場人物の軽妙なやり取りが、いいアクセントになっています。
とっても面白いです! - ★★★ Excellent!!!過去と未来の交差する暗黒の森に生きる者たち
発展とはなんなのだろう。敢えて定義するならば、『外と繋がり、歩調を合わせる』ということなのだろうか。
そう考えると、この小説のテーマはまさに『発展と停滞』、『過去と未来』なのかもしれない。とある異端者を追って黒鉛の森へやって来た異端審問官のクロトール。そんな彼は、暗黒地帯とされていたこの森で生きる様々な人々……異端者や先住民達と関わりながら、旅を続けていく。ポイントなのは、彼が出会う森の人々は決して一枚岩ではないこと。外の世界と関わろうとする者、すべてを拒絶する者。どちらでもない者。みんなみんな、同じ考えを抱いている訳では無い。
もし、クロトールを『発展』、『未来』、『外の世界』と考え…続きを読む