概要

地獄の長坂坡。
曹操の大軍に追われ、劉備は民を連れて南へ逃げる。
新野は落ち、当陽の北で追撃の影が迫る。
趙雲は馬首を返した。
一人、北、長坂へ。

炎と血の戦場で、彼は「拾う」ことをやめなかった。
倒れた者、泣く子、散らばる荷物──。
長坂坡の空は灰色に染まり、風は冷たい。

信頼という名の重力に抗わず、一人地獄の底へ。
剣が重く、鎧が重い。
だが、それ以上に重いものが、そこにあった。
  • 完結済4
  • 4,029文字
  • 更新
  • @youme07

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