私は恋してる、僕は変してる。

ちびねここ

第1話 私は恋してる、僕は変してる。

私は恋をしている。


一目見た時から 気になって 気になって

しかたがなかった。


毎朝同じ時間にバスに乗るあの人


サラサラの髪に白い肌 口唇なんか

ほんのりピンク色だ


女の私が落ち込む程に キレイな顔を

している。


「ゆい!見すぎだって!!」

「だって見ちゃうでしょ!!勝手に目が

追いかけちゃうんだもん」

「わかるけど、そんなに見てたら

嫌われるよ!」

そんな会話をしながら 私はずっと目が離せずにいた。

狭いバスの中だ 聞こえていたのだろう

その美少年がこっちを見てにこっと笑った。


「ひーっ!!目が合った!」

私は思わず声が出た。


その時 バスの降車ブザーが鳴る

あの美少年が降りるバス停だ

「あー、もう降りちゃう!」

「ゆい、本当あんたって物好きだわ」




僕は、変している。

毎朝僕は同じバスに乗る。

自分で言うのもなんだが周りの人達に二度見される程のイケメンだ。

バスの中ではヒソヒソと僕の事を話しているのがわかる。

今年で3年目のバス通学。

4月になると新入生が乗って来るから

とても面倒だ。

バスの中に黄色い声が行き交う

「また始まったか…」

僕はため息をついた。

何かする度にざわつくから本も読めない。

スマホを見ようものなら覗き込まれたりLINEのIDを聞かれる。

ただ立っているだけの通学はつまらない。

そろそろ降りるバス停だ。

僕は降車を知らせるブザーを押した。

先に降りたい人達がぞろぞろと

出口に歩き出す。

「まもなく奈良雄男子校前。窓側の方は必ず換気のために窓をお開け下さい。慌てず順番に 降りて下さい。」

妙に丁寧なアナウンスに女子達が首を傾げる。






「ゆい!窓開けて!早く!」

「わかってますよーっと」

サラリーマンのおじさまもお姉様達も当たり前のように窓を開けた


美少年はゆっくりと出口に向かう。

見送ろうとそれについていく女子達。


美少年は電子マネーを

カードリーダーにかざすと片足を上げながら「ぶふぉっ!!!」と馬鹿でかい屁をこいて華麗に降りて行った。


一瞬バス内が静かになったのち

女子達のギャー!!と言う悲鳴と咳き込みながらのたうち回る人達で大混乱となった。


そんな騒ぎをよそに美少年は振り返りもせず去って行く。


「今日も最高かよ!」

「ゆい、本当あんたって物好きだわ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私は恋してる、僕は変してる。 ちびねここ @chibinekoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画