ミックスルーツの少年のとある一日を、端正な文章で描いた秀作。彼のアイデンティティを構成する複雑な環境の中で、高校生である主人公の不確かな自分の価値観や生き方の軸を、回想と、そして何故だか自らの意思が及ばない左手とのやり取りを通して丁寧に描いています。祖母を訪ねる少年の、時間にしてたった数時間。その短い時間経過の中に描かれる少年の心情。意思に反する左手とロールコンヒュージョン。じっくりと味わって頂きたく思います。
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