エピローグ: 本物の幸せ
そして俺のの編集者になった颯来と二人で面談を続けながら漫画を描き続けた。が、売れることはなかった。
「やっぱ俺では駄目なのかなぁ」
「お前は才能もあるし、誰よりも努力をしている。報われるさ。」
そうだ。よく聞くフレーズ。「努力は報われる」。俺も親や先生からよく言われたことだ。小さい時もいつも、大人は言った。
「努力は報われるからね」と。けど、それは真っ赤な嘘だ。努力が報われるんて、そんなわけもない。けど、努力もしなければ、チャンスもない。わかっている。けど、この壁を俺は乗り越えたことがない。テスト、水泳、歌、陸上、コンテスト、漫画、絵。俺が経験してきただけでもこんなけある。大体全部やめた。その中でも続いているのが漫画で、事実、全くうまくいっていない。挫折を一度でも味わっていると、それが怖くて、やる気がなくなる。いろんな言い訳をつくり、楽な道、そう、大学に入り、就職をし、結婚をして、自分は幸せだと思いこんでいる。いや、幸せだと信じようとしている生活をする。
そうすれば、リスクも取らずに、楽しそうには生きることができる。けど、それは本当の幸せと、俺は呼べない。だから、どんなにつらくても続ける。俺の好きを貫く。誰に何を言われたとしても、挫折を味わっても、続ける。俺の人生は一度きり。俺は、大学をでて、会社に入って、自分は幸せなんだと思うようにしていた。けど、ある日、例の広告を見た。その時の俺は即答できなかった。けど今はどうだ?む会社で働いてた時に比べれば、ぼろぼろの家に住み、とても三十の男性の生活とは思えないような食事をしている。いい年して、仕事はやめ、バイトでやりくりしている俺は、今幸せかと聞かれると、即答で、ピンポーン。インターホンが鳴った。はーい、ガチャ、とドアを開けると、そこには俺の編集者、颯来がいる。笑顔で向い入れた。
「今日もよろしくね、編集者さん。」
「ふん、今日は飲みにきたんだよ。」
「えー、じゃあ今日は颯来ってことだね。」
「いつでもきていいって言ったのはお前だろ?」
「はいはい、そうですね、じゃあ、おかえりなさいって言えばいいの?」
「…それはさあ、」
と颯来は玄関でコートをかけながら、リビングの方へ入ってきた。あー、そうそう、今、俺は胸をはって、「俺は幸せだ」と、笑っていえる。
幸せですか? 海月ともね @Mizuki_Tomone
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます