このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(274文字)
正直、読んでいて苦しかったです。でもその苦しさが、この作品の誠実さだと思いました。安易に救わず、夢も肯定しすぎず、それでも「描く」という一歩に着地させたのがとても良かったです。静かだけど、強い物語でした。
夢破れて実家でバイト生活を送る僕は、ある日自室の壁に穴を発見する。覗いてみると、そこにいたのは僕自身だった。穴の向こうの僕は、こちら側の僕が諦めた夢をかなえ、家庭を築いていた。彼我の差を見せつけられる日々の果てに僕は……キラキラした別の世界線に打ちのめされるだけではなく、地に足のついたハッピーエンドを目指すラストがとてもさわやかでした。
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