第5話

「ごめんね……今、そういうこと考えられなくて、混乱してるっていうか」

 私は正直に答えた。たった一週間だったとはいえ恋人だった人にふられて、それですぐにほかの男性とつきあうなんて考えられない。


 だけど、ホテルに来るという通常では考えられない行動をしてしまった。

 どう答えたら誠実な対応になるのか、冷静に考えることができない。


「いいよ。スタート地点に戻っただけの話だ」

 私はきょとんと彼を見た。

「これから全力で落としに行く。だから待ってろよな」

 私は目を丸くして、それからかーっと赤くなる。


「脈は充分にありそうだ」

 言って、彼は私の額にキスをする。

「ばか!」

 私は罵るが、強い拒絶はできなかった。


 友達をなくした。

 だけど、私は新しく始まるだろう関係に、少なからず期待する自分に気付いてしまった。




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一週間で恋人にふられたら甘い溺愛が待っていました またたびやま銀猫 @matatabiyama-ginneko

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