ひかりを編む人

みぃ

金糸雀の深呼吸







ひかりを編むひと




 夢みる金糸雀




夜明けのしずくを 喉にひそませ 小さな歌手は 羽をふるわせる 格子の窓を すり抜けていくのは 光を編みあげた 無垢な歌声

カナリアイエローの その体は 止まり木に咲いた 一輪の花 風を知らぬ 翼であっても 心はいつでも 空を駆けている

遠い記憶の 森のささやきか 誰かを想う 祈りの調べか 震える喉から あふれだす音は 孤独な部屋を 春色に染める

見えない鎖を 歌に変えて そっと今日を 祝福する そのひと節が 消えぬまに 世界はやさしく 微笑みはじめる




 四字の渦




迷いの淵を ただ彷徨い 肌にまとわりつく風は ひどくぬるい

ボクは今 底の見えない悩みの中に 泥のように とっぷりと浸かっている

他力本願 自業自得 七転八倒

頭の中を 半ば支離滅裂に 冷たい四字熟語が メリーゴーランドのようにまわる

自分を裁く言葉ばかりが 牙を剥くけれど この濁った淵の底で

ふと 自分の胸に手をあてれば そこには 頼りなくとも確かな熱が トクトクと 脈打っている


 


虹のあしあと




無口な空に 虹をかけよう ほわり 夢を乗せて

ほのかに かおる 乙女椿の 淡い可憐

穏やかに こころに差し込む きいろい ひかりが キミの笑顔を やわらかく映しだす

あたたかな ひざしに誘われて 虫たちも いそいそと踊りだす

洗い立ての 洗濯物を ひとつひとつ 広げながら

ふと 見上げた こころのなかに いちばん綺麗な 虹を見つける

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ひかりを編む人 みぃ @miwa-masa

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