事故の記憶から始まる語りは、勢いと混乱を孕んだまま、私を一気に意識の外側へと連れ出していきました。病室に集まる家族の姿や、目覚める「身体の自分」を見届ける場面には、説明を超えた実感があります。感情を直接言い切らず、距離のある観察として描かれているからこそ、私含め、恐らくほかの読者も同様に、さまざまな思いが立ち上がってくると思います。自分の身体の重さや感覚を確かめたくなる一篇でした。
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