蛇と鷲の人間—来たるべき黄金の夜明け—

復活の日

まえがき

 ニーチェが予言したように、神(伝統的理念、宗教、国家等)の死によって現代社会ではニヒリズムが蔓延。「我欲す」という創造行為は否認され、「汝なすべし」という定言命法が覇権を握っている。定言命法に対する盲従を良しとする愚民、即ち『畜群』は刹那的快楽に身を委ね、群れることを好み、歴史的存在としての個人はその中に埋没した。



 畜群が奉じる価値観——グローバリズム、民主主義、平等主義、多様性——は人々を平均化、凡庸化するためのスローガンであり、SNSの普及がそれらを世界中に伝播させた。近現代社会は畜群と畜群教導者によってその手綱を握られ、畜群の愚昧さがしばし悲劇を惹起する(ナチズム、第二次世界大戦、共産主義の台頭)。二十一世紀においても、先述したようにSNSの影響で、民族、国家を問わず個人の平均化が進んでいる。グローバリズムは偉大な個人的存在を『国際化』の名のもとに均一化した。恐るべき退行が世界中で進んでいる。



 この潮流に抗えるのは畜群のような集団ではなく類稀な固有性を有した『個人』のみである。ニヒリズム即ち、「何をやっても甲斐がない」「どうせいつか死ぬのだ」という破滅的教説を克服し、未来へ向かって絶えず自己を超克する人間、即ち『超人』が必要だ。

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