最初から最後まで、不器用だけど真心のこもったピアノの音が流れているようでした。だからこそ、それを聞く私たちは、上手さではなく「想い」に耳を傾けることになります。積み上げられた年月は、捻じ曲がったり、分岐したりして、もう元の形なんてどこにもないのかもしれません。けれど、そこに「愛」があったことだけは疑いようがないはずです。私は弱いので、読み終えたあと思わず窓から空を見上げてしまいました。切なく、でも胸がじんわりと温まる。そんな一編です。
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