永眠まであともう少しの不老不死の魔女は最後まで楽しみたい

もちねこ・あまね

プロローグ







「先生。。今日は、早いですね。」





まだ太陽が山に顔を隠している時間帯、寝惚け声が古びた山小屋で一つの部屋を包みこんだ。扉の前には少し大人びた16歳の少女が立っている。すみれの花を真っ白な雲で隠しているような美しい長髪に、現実離れした紫色の瞳を持っていた。


「そうなの。実は、今から旅に出るんだ。リリウムも早く準備してね。」


眠たい目をこすりながら、リリウムと呼ばれた少女は声のもとに近づいていった。近づいた先には話し相手の10歳ぐらいの幼女がいた。薄桃色の髪をおだんごに結んでいて、肌が花瓶にあるバラのように白かった。

彼女の名前はシャメリア。不老不死の魔女である。幼い普通の幼女に見えるが、実年齢は200歳ぐらいの年寄なのだ。


「わかりましたが、なぜ急に。。?」


リリウムが問うと、シャメリアは振り返って優しそうに微笑んだ。そんな少女を見つめる二つの瞳は血のように紅く染まっていた。人間とは思えないほど紅かった。見ているとつい、引き込まれてしまいそう。


「ふふ。聞いたら驚くと思うよ。」


シャメリが軽やかな声で言った。手と手を合わせてて、なにか楽しみにしていることがあるみたい。








「実はね、余命が残りちょっとなの!」





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