第2話

香穂は自分がただ消費されていく

一方の人間だと思っていた。

 消されてしまう人間だと。

 果たしてその想像は大方

あたっているようだった。

そんな気がした。

 だがイヤだと思った。

心底そんな運命はイヤだと

そう思っていた。

 しかしそうは言っても運命の転換

は容易ではなさそうだった。

 何かをしなければいけないと本気で

思っていた。

 何かをして抵抗しなければ

このまま消されていく一方なのだと。

 しかし何をしたらいいのかが具体的に

そのビジョンが見えてこなかった。

 無駄なあがきで終わることも眼に見えて

いるような気がした。

だがやらなければいけないのだと。


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ゾッとするほど孤独 @k0905f0905

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