深淵の庭師は、今日も神獣を煮込む　〜庭の「雑草（魔神）」が邪魔なので剪定バサミで駆除したら、聖騎士に神と崇められました〜【短編版】

「あーあ、また庭に害獣が出た。せっかく植えたトマトが台無しだ」

念願のスローライフを送るため、人里離れた森に移り住んだ青年・ジル。
彼が「ちょっと元気な森」だと思って暮らしているその場所は
実は人類が決して踏み入れてはならない絶対不可侵領域――『深淵の魔境』だった。

彼が「害獣」と呼んで狩っているのは、国を滅ぼす伝説の魔獣。
彼が「雑草」と呼んで刈り取っているのは、世界を蝕む魔界植物。
そして彼が愛用する「剪定バサミ」は、概念すら切り落とす神域の刃。

これは、自分の強さと場所のヤバさに全く気づいていない男が
迷い込んだ聖騎士に絶品（魔獣）料理を振る舞って崇拝されたり
襲来する勇者一行を「マナーの悪いハイカー」としてデコピンで追い返したり
激怒する創造神を「雨漏り」として修理し…続きを読む