数学Ⅱ

MAXエロ大魔神

第1話 勇者がイク!!!という本の世界に行ってみた


 自分の名前はシュウ。

 神様のパパとママから生まれた。

 パパとママは不老不死で、願いながら言うだけで何でも願いが叶う神様である。

 パパとママは毎日交互に性別が入れ替わるし、とにかく朝から夜まで数学なことをしている。

 そして僕もとうとう神様にして貰った。

 今では願いながら言うだけで何でも願いが叶う。

 ただ、幼いころから両親の過激な御計算に触れて、普通では満足できない体になってしまった。

 なので、恋人ができたことは無い。

 今日は新しい出会いのために本の世界に行ってみようと思う。

 本のタイトルは「勇者がイク!!!」という本である。


「この本の世界と家の窓が繋がれ~!!!」


 勇者がイク!!!の世界と僕の家の窓が繋がった。


「どんな出会いがあるかなー」


 ワクワクしながら窓を潜り抜けた。


「......」


 窓を潜り抜けると平原が広がっており、遠くに家があった。

 異世界に来たらやらねばいけないことがある。


「ステータスオープン!!!」


 目の前に自分のステータス画面が表示された。

 ステータス画面には以下の内容が映し出されていた。


 ーーーーーーーーーーーーーー

 職業:神様

 名前:なな・シュウ

 スキル:無病息災超健康優良児

     翻訳

     自由飛行

     インベントリ

     速読

 ーーーーーーーーーーーーーー


 名前は両親からつけてもらい『なな』はママの苗字だ。

 無病息災超健康優良児は生まれたときに両親が付与したらしい。

 翻訳スキルはママの故郷が異世界なので念のために付与したとのこと。

 そして、自由飛行は旅行に行くときに使うからと付与された。

 インベントリのスキルは便利だからと、小学生になったときにママに付与してもらった。

 速読スキルは本をたくさん楽しめるようにとパパに貰った。

 言うだけで願いが叶う能力は神様だから使えるのだと思う。


「第一村人発見~」


 遠くの家から人が出るのを見つけた。

 そして、村人の前まで飛んでいって話しかけた。


「初めまして、僕はシュウと申します」


「!?!?!?」


 老婆は凄く慌てている様子で、詠唱を始めた。


「イきとしイける者イクイクし給え~!!!」


 急なことだったので逃げられなかった。


「イク?イク?」


 なぜかイクという言葉しか口から出なかった。


「とっさのことじゃが成功じゃ~」


 老婆は喜んでいた。


「イク?」


 『どういうこと?』と聞こうとしたが『イク』という言葉が出てきた。


「さあ!早速憎き勇者に祝福を与えに行くとするか!」


 老婆は転移魔法でどこかに行ってしまった。


「イク???イク???」


 何か言おうとしても全て『イク』という文字に置き換えられた。


「イクゥゥゥゥゥ!!!」


 とりあえず叫んだ。

 何でも願い事は言えば叶うので元に戻すことにした。


「イクイク~!!!」


 しかし何も起こらなかった。


「イグヴヴヴヴヴ!!!」


 かなりまずい状況になった。

 日本から異世界への扉は、現地人が入らないように閉じてある。

 しかし『イク』しか言えない状況では日本への扉を開けることができない。


「イグヴヴヴヴヴ!!!」


 あまりのショックにその場にへたりこんだ。





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2026年1月19日 19:19 31日ごと 19:19

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