最終話:理髪店・カオスの看板猫。
今日も今日とて「理髪店・カオス」はいつもより爽やかに目覚めたみたいだ。
昨日、二人はいっぱい燃えまくった。
観音さんが先に目覚めたあとシャルムが目覚めて、ふたり仲良く起きた。
シャルムは朝から上機嫌だった・・・昨夜のことを思い出してニヤニヤ
していた。
「シャルム・・・おはよう・・・ご機嫌だね」
「うん・・・観音ちゃん、いっぱい私を喜ばせてくれたから」
「そうだね・・・僕も最高によかったよ」
「私がエッチもっと上手だったらもっとよかったのにヘタレでごめんね」
「いいよ・・・それだって二人で育んでいけばいいんだから・・・」
「それより結婚ってなっても・・・僕たち正式には結婚できないんだよね
・・・シャルム・・・戸籍ないでしょ?」
「いいよ、そんなものなくても・・・結婚って言っても形だけでしょ?」
「まあ、そうだね・・・気持ちの問題かな」
「ねえ、今夜もいいかな?」
「え?・・・今夜もするつもり?シャルム・・・制欲旺盛」
「今夜だけじゃなく毎日してたいもん・・・私今、発情期だから」
「私が万が一猫ちゃんに戻ってエッチできなくてもペットショップに売り
飛ばしたりしないでよ?」
「ダメだよ・・・猫ちゃんい戻ったらペットショップに持ってくからね」
「それって動物虐待・・・保護協会からクレーム来ちゃうよ」
「冗談だよ・・・猫ちゃんに戻っても一生手放さないよ」
シャルムは頑張って猫ちゃんに戻らないまま観音さんと毎日飽きもせずラブ
タイムを過ごして、カオスで客の相手をしていた。
「ねえシャルム明日、動物病院へ行って検診受けてみない?」
「病院?・・・なんで?・・・病院なんてイヤだよ・・・死んでもイヤ」
「でもさ、一応猫ちゃんなんだから・・・猫にも怖い病気があるんだって」
「一度診てもらって予防注射打ってもらったら安心かなって思って・・・」
「私・・・なぜかもう猫ちゃんに戻れなくなってるみたい・・・」
「もう人間なのに動物病院へ行ってもしょうがないじゃない」
「猫ちゃんになれない?・・・完全に魔女になったってことなのかな?」
「分かんない」「でも・・・私もしかして進化したのかも〜」
「それとも、もしかしたらリセットしちゃったのかも・・・もともとは私の
ご先祖様は猫ちゃんじゃなくて、人間だったんだけど世の中を生き抜くため
に猫ちゃんになったとか?それがリセットされたから人間になちゃったの
かも・・・」
「エッチばっか、しまくってるから本当の魔女になちゃったってことかな」
「そうなのかもね・・・」
「このさい猫ちゃんに戻れないことの理由なんてどうだっていいよ」
観音さんもシャルム自身も、彼女が猫ちゃん戻らなくていいって思った。
そしてふたり愛し合った次の朝のことだった。観音さんはまた爽やかに目覚めた。
自分の横で寝てるシャルムを起こそうと思って、横を見ると彼女がいない。
「あ〜今日は早いお目覚めみたいだな」
観音さんは起きてシャルムを呼んだ。でも返事がない・・・部屋の中を見て
回ったけどシャルムはどこにもいなかった。
「カオスはまだオープンしてないし・・・店にいるはずないんだよな」
そうは思ったけど、念のためと思って店の中を覗いてみた。そしたら店の隅の
アンティークな椅子の上に一匹の猫が丸くなって寝ていた。
「うそ・・・シャルム?・・・戻ってるじゃん」
観音さんはすぐにシャルムが猫ちゃんに戻ったんだって思った。だからそっと
シャルムに近ずいて背中を撫でながら言った。
「猫ちゃんに戻っちゃったんだね・・・」「戻れない言ってたのに??・・・
わがままな魔女だね、君って」
観音さんはため息をついた。
「しょうがないね・・・君がまた人間の魔女になるまで僕は待つよ」
「それまで理髪店・カオスの看板猫で頑張っててよね、シャルム」
そう言って観音さんは寝てるシャルムの鼻の頭にチュッってキスした。
その後、シャルムは観音さんと結婚してから2度と猫に変わることは
ありませんでした。
で、シャルムは理髪店・カオスで観音さんのアシスタントと言うより、
もうカリスマ理容師として活躍していて、そして二人の間に可愛い双子の
赤ちゃんが生まれたってことです。
でも彼女が素敵な魔女であることには変わりなく彼女の魔法は、二人の
性生活と生活に大いに役に立ってくれました。
ってことで、ハッピーエンドでよかったんじゃないでしょうか。✌︎('ω'✌︎ )
おしまい。
素敵な魔女になる条件。 猫の尻尾 @amanotenshi
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