第3話 女神討伐

「ワタシを滅ぼす? 正気なの? 見捨てるの? 100の異世界を……。ワタシがいないと過去には行けないのよ?」


 怪訝な顔をする女神に問い掛ける。


「女神。ひとつ聞きたい。私が100人の悪役令嬢を殺さなくても、他にも異世界を救う方法があるんじゃないのか?」


「……………」


( 沈黙か……やはり―― )


 決定的な答えを得た。

 矢継ぎ早に話しを続ける。


「あなたの話しを聞いていて違和感を感じたのよ。話す必要のないことまで本音でベラベラ喋っているって。あなたはどう見ても正直者ってタイプじゃない。嘘をつくのが平気で、人を騙すのが大好きなタイプの人間。本当に私に悪役令嬢たちを殺させたいのなら、口八丁でまかせで、私にやる気を出させてやらせればいい。それなのに、なんで色々と本音で喋っていたのか不思議だったのよ」


 言葉を失った女神の前に立ち、突きとめた事実を告げる。


「このことから導かれる答えは――『女神は嘘をつけない』!」


 表情がスっと消え、暗雲とした雰囲気を纏わせた。


「さっきの私の質問に、嘘もつかず沈黙したのが答えね」


「…………」


 黙り続ける最低最悪の魔女に――。


「……最後の質問よ、女神。あなたをここで滅ぼせば、神スキルを与えた事実はなくなって『過去は改変』されるんじゃない?」


 決定的な問い掛けに女神は薄く頬笑み。


「…………ふ、ふふふっ」


 開き直って高笑った。


「あはははははっ! そうよ、そのとうりよ。この女神カーマを殺すことがもうひとつの手段……さすがワタシのクローンね、凄いわっ!」


 人に対してここまで嫌悪したのは初めてかもしれない。


「女神カーマ……! 100の異世界を救うため、お前をここでぶち殺す!」


 第4話『女神抹殺』に続く。

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悪役令嬢狩り − 100人狩ったら神スキルをあげる♡ − 佐藤ゆう @coco7

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