第2話 カメムシさんの ひみつの魔法

カメムシさんは、涙目のみんなを見て、

ちょっと首をかしげました。


「どうしてそんな顔をするのかな?」

「ぼくはただ、元気いっぱいなだけなのに」


すると、森の奥からフクロウさんがやってきて、やさしく言いました。


「カメムシさん、あなたのにおいはびっくりするけれど、それもあなたの大切な力なんだよ」


「体を守るための、ひみつの魔法なんだ」

「そして、みんなを笑顔にする魔法でもあるんだ」


みんなは涙目のまま、うんうんとうなずきました。


「そうか、カメムシさんは魔法使いだったんだね」


カメムシさんは、ちょっと照れながら、

森の道をまた歩いていきました。


涙目だった仲間たちも、

すこしずつ笑顔にかわっていきました。


でも……ぷぅん。

風がふく——

みんなは、やっぱり涙目。


(つづく)

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カメムシさんは今日も元気——でも、みんなは涙目—— 天音空 @iroha_no_karte

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