ヘアピンカーブ

屑木 夢平

ヘアピンカーブ


つまらない奴だった

几帳面な奴だった

脱いだ服はすぐ畳んだし

口元のほくろは三つ綺麗に並んでいた


毎朝決まった時間に起きて

変わりゆく風の匂いを味わい

季節季節の花を愛で

妹のそばかすに甘い眼差し


腕の傷は三本線

ケンちゃんむかしやんちゃしてたってさ

いまじゃその影もないんだから

転がるビー玉みたいな妹の声一つ


峠で待ってるよ

アイツにそそのかされたケンちゃん

ガードレールを突き破って

氷点下の谷底と熱い抱擁


私の人を返してよ

妹泣きじゃくって頬を打つ

血の滲んだ唇吊り上げアイツ

峠で待ってるよ


だからむきだしの体を折り畳み

僕は人生を流線型にする

何度目かのヘアピンカーブ

ハンドルを握る手がかじかんでいる

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ヘアピンカーブ 屑木 夢平 @m_quzuki

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