立場ゆえにあんな形でしか愛を伝えられなかった

人妻である高陽公主と不犯を誓う僧侶辯機の不倫スキャンダルは、史実として伝えられていますが、2人の心情までは歴史書ではもちろん分かりません。『嘘つき姫と僧の罪』は、高陽公主と僧侶辯機の交流と彼らの心情を巧みに描いて、彼らが血の通った生身の人間だったんだと身近に感じさせてくれます。お互いの立場ゆえに愛を告白できず、悲恋とならざると得なかったのが切ないです。

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