概要
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- ★★★ Excellent!!!美しい物語
青葉寄さんはめちゃめちゃすごい方だと思っています(多分どこかで言ったことがないと思うのでこのレビューで初めて言うのですが)
『夏に溺れる』が本当にすごくて。未読の方はぜひ読んでみてほしいです。
そんな青葉寄さんの本作『東京でボーイミーツガールは起こらない』ですが、10,000字の短編とは思えない圧倒的な満足感…!!! 登場人物がまるで現実のどこで生きているかのような息遣いが聞こえてくるお話でした。
悲しいストーリーなのですが、でも悲しいだけじゃなくて、それでも前に進みたいという思いだったり、側にはいられないけれど大切という思いだったり、素敵な思いが幾つも込められているような物語でした。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どれだけ結んでいても、いつかは壊れるだろう。
若い頃、理不尽なことやどうしようもない絶望が世界の全てだった。
しかし、年を重ねると、今度は自分の心を掴めなくなって、空っぽな人間になったような気がする。
人生とは形のない喪失の連続だと思う。
ただ、失うこと自体は別にどうでもいい。
何より怖いのは、失っているという感覚すら失うことだ。
栞はそうやって大人になる途中で、失っているという感覚すらを失った人かもしれません。
二人の関係性に、なんとなく「蝶々結び」の歌詞を思い出した。
「ほどけやしないように
と願って力込めては
広げすぎた羽根に戸惑う」
どれだけ結んでいても、いつかは壊れるだろう。 - ★★★ Excellent!!!ストックホルムの傍らで
全てが嫌になって死のうとした私を彼はデリカシーのない言葉で助けてくれた。
それがきっかけで心機一転して東京に出る。2人で一緒に生まれ変わるために。
振り返ればそれがまずかったんだろうと思う。
運が悪いから、私たちは出会った。出会えた。
もし、サイコロを振り直したら?
それで良い目が出たら?
私たちは出会うに値しない――
・
ストックホルム症候群という言葉がある。
一言で説明すると「誘拐犯に好意を抱いてしまう」というものだ。防衛反応のためだとされている。
実際のところ、この作品の二人には当てはまらないのだが、
読んでいてこの言葉が自然に胸に浮かんできた…続きを読む