特攻兵の怨念

特攻兵の怨念

私は沖縄の南の地域に住んでいる。この地域では、昔からとある話が伝わっている。終戦間際に爆弾を持ってアメリカ軍に特攻した少年達の霊が丑三つ時に出てくると言うのだ。

しかも一度見てしまうと爆弾を持ったまま見た人に特攻して爆死させてしまう。

つい一ヶ月前にも霊を知らない旅行者が夜中に爆破され、翌朝バラバラ死体が森に落ちていた。

さらに、その遺体には怨念があり、遺体の撤去作業をした業者の1人が翌日に鉄骨に潰されて即死した。

このことは全国ニュースになり男性のホラー系インフルエンサーが今日来る予定になった。

運が悪いことに私は伝わっている話を知っているのでガイドを頼まれてしまった。

頼まれた時に行くことを必死に止めたがインフルエンサーは迷信だと思っておりガイドをする羽目になってしまった。

少し時間が経ち時刻は午後二時、丑三つ時である。

インフルエンサーと共に旅行者が爆死した場所に到着すると、何やら火薬の臭いがしたり、砂利を踏んでいる音がする。

音はする方向を確認すると背中に爆弾を背負って迷彩服を着た中学生程の子供の骸骨がこちらに向かって走ってきた。

私は地域に伝わっている話を信じていたので咄嗟に逃げることができたが、迷信だと思っていたインフルエンサーが腰を抜かして走れなくなり爆破された。

霊は爆破するとすぐに消えた。

しかし彼はライブ配信をしたまま爆破されてしまったのでバラバラ死体が写ってしまった。

さらに運が悪いことにライブ配信には霊が映っておらず、爆破された直後に私がすぐに近づいてしまったことで私が犯人とされ警察に殺人罪で逮捕された。

裁判では無実を訴え続けたが私は前科9犯で犯行が悪質ということが考慮され死刑という判決が下された。

しかし、そのまま24年間執行されず遂に癌で死亡した。