第2話 青の世界
青く透き通る水が道路を満たしている
街はすっかり水に沈んでいる
立ち並ぶビルの横の路地は珊瑚礁
カラフルな小魚が泳ぐ
はるか遠くの時計塔に時計は無い
代わりに大きなエメラルドが青く光る
水も宝石も空も全てが青い世界で
膝まで水に浸かりながら
少年の私は小さな弟の手を引いて彷徨い歩く
家を探しているのか
親を探しているのか
青く輝く水の廃墟は美しいが
弟の目はなぜか悲しみに満ちている
私はどちらに歩いていいかわからずに
ただ手を離さぬよう力を込めた
夢の行詩 夏乃緒玻璃 @NATU2025
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夢の行詩の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます