あと10回日曜日が来たらクリスマス

主人公・高梨舞、24歳。社会人3年目。
恋愛も仕事も順調——その“はずだった”。

成人して以来、毎年クリスマスは必ず彼氏と過ごしてきた。イルミネーション、ケーキ、来年の話。
「クリスマスは特別な日」
それは舞にとって“当たり前”の幸せだった。

けれど、その当たり前は突然終わりを迎える。

街にイルミネーションが灯り始めたある夜、
長く付き合った彼氏から別れを告げられたのだ。

泣き疲れた翌日、出社した舞を迎えたのは
編集部のホワイトボードに書かれた毎年恒例の文字。

「あと10回日曜日が来たらクリスマス」

恋人の話題ではしゃぐ同僚たち。社内に溢れる冬のイベントの予定。クリスマスに恋人がいないなんて何年ぶりだろう。

孤独と焦りが胸をざわつかせる。

そして舞は決心する。
「クリスマスま…続きを読む