BARABARA
@HA818jahy
正体は?
死体が一つありました。バラバラの死体。手足、腕脚、頭に胴体。陰茎も。お肉が一つありました。人肉です。大変に美味な魚のような人肉です。人魚の肉のような、不老不死の肉ではありません。でも、特殊な能力を与えられます。その能力は超能力と言います。Telepathyとも。
「誰が、殺った?こんな酷い。」
死体の死臭が探偵の周りに漂う。探偵の前にあるのは、バラバラになった死体。床は血で染められ、内臓と脳が抜き取られた死体が一つ。成人男性の死体が。
「これは、グロテスクですね。遺憾の意です。HAWKS。」
「DRAGOよ。これはどういうことだ。こんな死体現場を見るのは初めてた。バラバラ死体はあるが、内臓が全て抜き取られて、脳もない。これは、つまり、食べられたか。」
「でしょうね。あまり考えたくはありませんが。」
HAWKSは黒色の短髪、服装の上下は黒色で統一している。靴は茶色の革靴。DRAGOは対照的に服装の上下は白色で纏め、革靴は黒色。
HAWKSは死体の顔を観察する。顔は悪くない。容姿端麗と言ったところだ。気になる点は僅かに、アーモンド臭がすること。これは、青酸カリだろう。つまりは、毒殺か。
「DRAGO、これは毒殺だ。青酸カリによる毒殺。死体の頭部には損傷が無い。ならば、青酸カリによる毒殺か、それとも、睡眠薬と同時に青酸カリも服用して、死に至らしめたか。」
「成る程。死体の状況から診たらそうですね。ただ、残念なことに、この場所は、隔離された場所。近くの居住地までは、車で一時間ある。だから、直ぐに死体の解剖ができない。」
「ああ。そうだな。さて、犯人は誰かな。」
HAWKSは死体のある部分に注目した。右手の人差し指だ。その指の爪には、僅かに皮膚が付着していた。
「ん?これは。」
「どうか、しました。」
「これは、大きな証拠だな。皮膚だよ。犯人の。」
「皮膚。被害者が襲われた時にできたということは。」
「そう。つまり。犯人は被害者を襲おうとし、その時に、被害者が反抗して、犯人の皮膚を引っ掻いた。で、その後に無理矢理、睡眠薬と青酸カリを飲ませた。と考えられる。犯人は用心深いな。保険をかけている。確実に被害者が死ぬように。青酸カリで死なない場合の保険として睡眠薬を飲ませて、眠らせている。用意周到だ。さて、他に証拠は。」
死体の周りを丁寧に検分するHAWKS。あっ、とHAWKSは気付いた。金色の髪が一本、光り輝いていた。目立っているので、直ぐに気付いた。
「DRAGO、髪だ。犯人は金髪。」
犯人は金髪で、体に傷を負っている。そして、用意周到な完璧主義者。
「HAWKS、犯人は何処にいると思う。」
「ここから周囲5km内と見た。なあに、私の勘だ。直感。」
「はあ、直感ですか。」
「近くを探索しよう。そうだな森林の中を捜索したい。」
「はい。警察が来るまで、時間もかかりますからね。でも、二人で行くのは。」
「そう。DRAGON。君はここに残ること。犯人が戻って、死体の処理をしたら、何も手を打てないからね。」
「了解です。」
HAWKSは鷹のように、鋭い視力と眼力で、森林の中を捜索する。
「さて、ここには何があるのかな。」
木々の中、ひっそりとそれはあった。小屋が。
「犯人がいるか?慎重に進もう。」
HAWKSは小枝を踏まないように、ゆっくりと歩く、一歩、一歩、少しずつ。そして、ドアノブに手を掛けて、開ける。
「動くな!」
そこに、ソレはいた。金髪で大柄、まるで獅子を擬人化したかのようなソレが。
「Uoon.」
HAWKSはソレに体当たりを仕掛けて、倒す。ソレはゆっくりとスローモーションのように、倒れた。HAWKSは両手に手錠を掛け、ソレの自由を奪った。
「犯人、捕まえたり。」
ソレの右頬には傷跡があった。犯人に間違えない。
「DRAGON、犯人を捕まえたぞ。」
「お手軽です、HAWKS!」
「これで、警察から報奨金を貰える。今夜は宴だ!!」
そして、騒がしい一夜が始まった。
人魚の肉が食べたい。それが鵺。犯人の正体。が、語った動機でした。鵺は常人離れした特殊な身体能力を手に入れました。バラバラになった死体は八百比丘尼の肉体です。鵺は八百比丘尼に恋慕を抱き、一途に愛していました。そして、鵺は八百比丘尼に無視をされたことに激昂し、八百比丘尼を殺し、食べました。鵺は泣き崩れ。HAWKSとDRAGONに抱えられ、檻の中に閉じ込められましたとさ。
BARABARA @HA818jahy
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