世阿弥の心の内
前述の通り、富士の麓で
ただ、このフィクションをいつから作れるかというと、
『風姿花伝』を書いた
世阿弥の猿楽一座は日本各地の神社仏閣を巡っていたことになる。
日本における徐福伝説の地のひとつに、和歌山県の
徐福は海の向こうの
この伝説の歴史は古い。平安時代には既に徐福ノ宮という神社が作られていたという。鎌倉時代には
室町時代の世阿弥が猿楽の公演で熊野三山に来た時、徐福の伝説に触れた可能性は十分にある。
『風姿花伝』では、秦河勝の苗字の「秦」は、秦の始皇帝の生まれ変わりだから、と理由付けされているが、そもそも秦河勝の「秦」は
秦氏とは
つまり、わざわざ始皇帝の生まれ変わりなどという設定を作らなくても、「秦」の苗字を使うことはできる。
それでも世阿弥は秦河勝を始皇帝の生まれ変わりとした。
世阿弥が書いたとされる能の演目のひとつに、『
また、世阿弥を保護した貴族は
その過程で秦河勝が
世阿弥はどこまで狙ってやったのだろうか。まったく気づいてなかったかもしれないし、始皇帝の生まれ変わりが徐福の子孫を富士山近くで叩きのめす話を思いついていたかもしれない。
どうにかして本人に問い質したいところだが、武帝のように反魂香を手に入れて世阿弥の魂を呼び寄せられたとしても、いい笑顔でこう言われるだけだろう。
「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」
徐福の子孫vs転生始皇帝 劉度 @ryudo
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