あとがき
まずは、本編をご覧いただきありがとうございます。動きの少ない静かな物語でしたが、いかがだったでしょうか。
私、こういう余白の多い話が好きなもので。結局、この人たちはなんなんだ。となってしまったかもしれません。
設定としては用意していますが、はっきり言えば蛇足ではあります。ですが、せっかくなので、少し掘り下げをします。ご興味あればお付き合いください。
さて、さっそくですが、作中の男と少女の立ち位置です。 雰囲気でお察しかと思いますが、殺し屋と依頼者です。もちろん、依頼者が少女です。
彼女の名前は、仲根 美空(なかね みそら)。 殺し屋との接点は、どこかの闇サイト。ありがちですかね。 ターゲットは、同じ家で住む義理の親です。
どうしてそうなったのか。作中で少し伏線的に入れています。
作中で殺し屋に振り回された時、美空の表情が変わることはありませんでした。 つまり、慣れているのです。そんな扱いに。
作中で張りつけた笑顔ではなくなったのは、転びかけた時だけです。予想しない偶然の出来事だったからですね。
関係性の話に戻ると、サイト内の掲示板で、偶然にも殺しを示唆するやり取りを発見し、 いろいろあって決断をした。そんな流れです。
美空が友達の家に居たのは、決行日のアリバイ作りでした。ミステリ小説を読んでいるときの怖い顔は、それが理由です。
そんな友達の名は、日之宮 茜(ひのみや あかね)。美空の家庭環境をある程度知っている理解者、という立ち位置です。
漫画、小説問わず本が好きな茜。ミステリ小説を勧めたのは、内容が勧善懲悪だったから。ただ、勧めた後で失敗したかなと思い返すも、取り上げるのも違うなと後悔してたりします。
一方、後始末を済ませてタバコを吸っていた男。美空は偶然にも遭遇した。本編の展開はそんな内容でした。
もちろん、フィクションだからこそ成立する設定です。
現実には起こりようがありません。
ただ、この人物はどうしてこうなったのか、と思わせる空気感は演出できた気がします。そんな底知れない何かが、悪を抱える人柄の魅力かもしれない。
正道で解消できたかもしれない。だけど、根本的には解決しないかもしれない。邪道を正当化するわけではありませんが、一つの選択肢として生まれてしまう。
美空のような、歪な精神性となってしまう者が現れない世の中であることを祈るばかりです。
雨に滲む顛末の後で 夢真 @yuma_sin
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