静かな日常のひとこまを、そのまま差し出されているような感覚で読みました。会話や出来事は淡々としているのに、行間に残る沈黙や間で巧みに読み手側の気持ちを動かす感じがあります。コンビニの場面や何気ない記憶が繰り返されることで、関係の始まりと終わりが静かに重なっていくのも印象に残ります。選択の積み重ねがたゆたう(物語の根幹の言葉をこんなカタチで使ってしまって申し訳ありません)心地よい余韻。読み終えたあと、そのまま心に置いておきたくなる一編でした。
もうすぐ四十歳になる、独身の男。結婚など考えていなかったが、コンビニで女性を助けたことがきっかけで……。人は時に、驚きの出会いをすることがある。でも、運命的だなんてドキドキしていられないこともある。特に、「事情」のある人との出会いには……。ドラマのようで、でもどこか現実的。そんな物語はいかがですか。
きれいな場面、そして、リアルな余韻。
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