概要
現世の私と、彼岸の貴女。-夕凪に架ける、魂を繋ぐ緋の橋。
私は、高校時代、「思い残す事のない程の美」「至上の美」と呼べる景色を追い求め、スケッチを描く、美の求道者のような少女、朱里に出会い、その生き様に惹かれ、彼女の美を求める旅を共に行く恋人となった。
晩秋の頃、空も海も緋色に染めながら、夕凪の水面に緋の橋を浮かび上がらせる‐そんな現象が見られる事から、焔灘(ほむらなだ)と呼ばれる海がある事を知り、朱里はその景色をスケッチに残したいと願い、私と共に旅に出る。
その地で、二人で見た夕陽の緋の橋。密かに交わした口づけ。
二人の「至上の美」は完成されたかに思えた。
しかし、その美を見届けた後、朱里は亡き人となってしまう。
「あの海の、緋の橋の向こうで、私は貴女を待っているから」という言葉を私に遺して。
これは、失われた美への巡礼と、その復活までの物語。
晩秋の頃、空も海も緋色に染めながら、夕凪の水面に緋の橋を浮かび上がらせる‐そんな現象が見られる事から、焔灘(ほむらなだ)と呼ばれる海がある事を知り、朱里はその景色をスケッチに残したいと願い、私と共に旅に出る。
その地で、二人で見た夕陽の緋の橋。密かに交わした口づけ。
二人の「至上の美」は完成されたかに思えた。
しかし、その美を見届けた後、朱里は亡き人となってしまう。
「あの海の、緋の橋の向こうで、私は貴女を待っているから」という言葉を私に遺して。
これは、失われた美への巡礼と、その復活までの物語。