『ピーキー過ぎてお前には無理だよ』
- ★★★ Excellent!!!
SFとは、荒唐無稽なことを、
いかに納得させるかである。
例えば、
映画『AKIRA』
冒頭のシーン。
鉄雄が、金田のバイクを愛の手で説明する。
「セラミックツーローターの両輪駆動で、コンピューター制御のアンチロックブレーキ、12,000回転の200馬力···」
そして、金田の名セリフ。
『ピーキー過ぎてお前には無理だよ』
アクセルを吹かすと、超電導モーターがスパークしながら高速回転。ドルゥンと爆発、ガスを散らして、信じられない加速で走り出す。
この描写の中で、テクノロジーは爆発してる。
金田のバイクは、内燃機関により発電。その電力を使い、両輪の超電導モーターは起動している。
そう!
コレがSFなのだ!!!
晴久様のお作品。
コイツも爆発してる。
冒頭。
『西暦三〇一六年。秋は、違法になった』
並の作家であれば、この後、破綻する。
超適当に考えた時代設定。
思いつきだけの舞台背景。
何の説得力も無く、破綻。
さっむい、コントオチで終わるのだ。
SFを笑いにするのであれば、それはそれで良い。
けど、安易なSFはコケる。
晴久様のSFには意味がある。
説得力を持って、自然にストーリーは進み、大きな主題にたどり着き、それが心に染みるのだ。
最強のSF作家の傑作。
じっくりとお楽しみください🤗✨