人は西暦三〇一六年に真理省を必要としますか?

晴久さんの真骨頂である未来ガジェット、AI、理不尽な世界が詰まった短いお話です。

「ある」ものから目を背けようとする社会は、とても冷たくて血が通わない世界だと思います。
「ない」はずのものを見つけて過ごした数カ月は、きっと温かい。

生物と無機物とのあいだに感情が起こるものか? このことを、もう私たち読者は疑わない時代になりました。愛情だって、生まれる。

むしろ疑われるのは、世界や人類の行く末を受け入れない私たち自身への信頼かも――そんなふうに、感じます。


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