エピローグ ― 星の言葉 ―

夜。

星渡書店の窓から、月の光が静かに差し込んでいる。

結人と灯は並んでノートを開き、今日の日誌をつけていた。


「今日、新しいお客さんが来た。」

「きっとあの子も、すぐに自分の物語を見つける。」


ページを閉じると、外の星々が一斉に瞬いた。

灯がそっと呟く。


「ねぇ、お兄ちゃん。」

「ん?」

「私たち、もう“本の登場人物”じゃないよね。」

結人は微笑み、ランプの火を見つめながら答えた。


「そうだな。今は――“物語を紡ぐ人間”だ。」


灯が笑う。

「それって、ちょっと素敵だね。」

「うん。きっと、この世界のどこかにも、まだ書かれていない“誰かの物語”がある。」


二人は手を合わせ、静かにページを閉じた。


――そしてその瞬間、

空にまたひとつ、新しい星が生まれた。

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星を読む本屋 無咲 油圧 @sora112233

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