診断結果ロボ

白川津 中々

◾️

 健康診断の結果、俺はロボであると判明し要精密検査となった。


「間違いなくロボですね」


 紹介された総合病院にて力強く医者が断言。そんな診断があるか。俺は腹立ちを覚えながらも、大人として、人間として冷静に「ロボってなんですか」と聞く。すると、医者はやれやれといった様子で嘆息を落とすのだった。


「ロボはロボですよ。ロボット。知りませんか? アトムとか、鉄人28号とか」


「ロボは知ってますよ! ガンダムとかヴァルキリーとか!」


 堪忍袋は大膨張し尾が切れる寸前。頼むからこれ以上俺を怒らせないでくれというその時、身体中に電流が走り、四肢、肩、腰回りにパワーが漲る。視界も明瞭、いや、画素が高過ぎる。これまでにない解像度。いったい何だと手足を見ると、指はマニピュレーター、脹脛はバーニアに変質していた。ロボだ。俺は間違いなくロボになっていたのだ。


「ロボだこれぇ!」


「はい。怒ったり激しい運動をすると変形しちゃうんで気をつけてください。それ以外は問題ないので、ゆっくり休んでください。食後に飲む薬出しときますね。飲まないと巨大ロボットになっちゃうんで気をつけてください」


「あの、問題ないって、ロボになった身体は大丈夫なんですか?」


「よっぽど大丈夫ですが、治らなかったらまたいらしてください」


「……はい」


 俺はロボのまま病院を出て薬局へ。渡された処方箋で交換した薬はロボタミンという名前だった。まったくふざけている。確かに俺はロボになったが、こんな馬鹿な話があるかと怒りが込み上げてきた。すると、身体がガシンガシンと音を立てて、段々と周りが小さくなっていった。どうやら巨大ロボットになってしまったようだ。病状悪化。勘弁してくれ。


「ちくしょう! こうなったら世界を救うしかねぇ!」


 俺はバーニアを吹かして飛び立った。目的地は、世界各国の紛争地。怒りのパワーを正義のために、巨大ロボ俺、今日より発進。

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