こんな【にんぎょひめ】はイヤだ。
レッドハーブ
こんな【にんぎょひめ】はイヤだ。
むかしむかしのおはなしです。
青い海の底に人魚のお城がありました。
そこに王様と6人の人魚姫が住んでおりました。
末っ子の人魚姫は、人間の世界に胸をおどらせていました。人間たちが海にものを落とすので、それを
(人間の世界を見たい……!)
月の明るい夜のこと……。
15歳になった人魚姫は海上に顔を出しました。
そこには明かりをつけた白い船……。
(あれは…なにかしら?)
それは王子様の船でした。船からは
「ステキな王子様ね」
人魚姫は王子様をみてウットリしていました。
しかし、やがて嵐で海は荒れはじめました。荒波が船をおそい、王子様は海に落ちてしまいました。 人魚姫は海に落ちた王子様を助け、浜辺まで運びました。
「王子さま!しっかりして!!」
必死によびかけ続けました。
すると、どこからか女の人が近づいてきました。
「だれか?だれかいらっしゃるの?」
人魚姫は海に身をかくしました。 女の人は王子様を抱き上げると、そのとき息をふきかえしました。
「あ、ありがとう。あなたが、わたしを助けてくれたのですね!」
王子様は目のまえの女性を、命の恩人と勘違いしてしまいました。
(しんっじられない!なに、あの
この一件から、人間になって王子様のそばにいたい。ついでに、あの女に
そこで魔女のところへ行き、事情を話しました。
「……と、いうわけでその女を八つ裂きにしたいんですが…なにかいい方法ないですか?」
「いや、あまり過激なことは…カクヨム様のレーティングにひっかかるかもしれないので…」
「わたし、国王の娘なんですけど…言っている意味がわかりますよね?」
「ぐぬぬ!…わかった。お主の美しい声と交換だ。だが王子様がほかの女と結婚すると、お主は海の泡になってしまうよ、いいかい?」
「……はい。あと同じ薬をもう1つ欲しいわ」
「え、いや、しかし……」
「わたし、国王の娘なんですけど…言っている意味がわかりますよね?(2回目)」
「……はい」
魔女はしぶしぶ、契約の薬を2つ用意しました。
薬を受け取り、浜辺で脳内作戦会議をたてました。
(これ飲むと声がでなくなるのね…?で、最後は泡になってしまうのね……。じゃあ、1つはあの女に飲ませればいいじゃない!!)
脳内会議が終わると、すぐに行動を起こしました。人魚姫の声は浜辺で歌うことにしました。
「す〜ばらSea〜♪ アンダ〜・ザ・Sea〜♪
ダーリン♪わたしの言うこと信じてぇ〜♪」
すると何日かして王子さまが浜辺にきました。
「キレイな歌声だ……」
(かかったわね!……よし!)
人魚姫は上半身だけを水面にだし、王子に話しかけました。
「王子様!結婚を考えてる女性がいるようですね?」
「なぜそれを!?」
「この薬を飲ませると声がキレイになりますよ!結婚の記念に差し上げます。お姫様に飲ませてあげてください!」
「おお!これはこれは!」
「ただし、心がキレイな人じゃないと薬はかえって逆効果ですよ」
「わかった!」
しばらくして、王子様の結婚相手が声が出なくなったという
王子様は浜辺にやってきました。
「困った…彼女が
「近くの海中に治療薬がありますわ!」
人魚姫は言葉巧みに王子様を海に誘い込みました。しかし、人魚姫は王子様をわざと
「大丈夫ですか!王子様!?」
「ああ……キミが助けてくれたのか?」
「はい。これで2回目ですね」
「2回目……?」
「実は…以前に溺れた王子様を助けたのはわたしなんです!」
「なんてこった!」
「ホントです。その証拠に婚約者はなにもしゃべることができなくなったでしょ?言ったでしょう?あの薬は心がキレイなら声がキレイになるって?」
「…………」
「王子様、確かに隣国の姫様はおキレイです。しかし、国の代表たるものが結婚相手を見た目のみで選んでいいのでしょうか?わたしは中身も観るべきとおもいます」
「そうだね……」
(……計!画!どお〜り!)
三日三晩なやんだ末、王子様は結婚を考え直すことにしました。
(ふん!手柄をよこどりした報いよ!)
そしてそれを聞いた人魚姫はもう1つの薬を飲み人間となり、王子様にとりいりました。命の恩人ということもあって、王子様は人魚姫と結婚することに決めました。
それを聞いた隣国のお姫さまは、ショックで口から泡を吹いて倒れたそうです。
(せめてもの情けで命まではとらないであげるわ。わたしってやさしいでしょ?オ〜ホッホッホッホッホ!!)
それから人魚姫は人間となり、王子様と結ばれて幸せに暮らしましたとさ。
こんな【にんぎょひめ】はイヤだ。 レッドハーブ @Red-herb
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