田中健三、卵焼きを焼く

卵焼き。
このテーマにして、なぜここまで素敵な物語がかけるのか？
主人公が焼くだけなのに、物語には厚みがあります☆

ハイセンスなストーリーの組み立ては読んでからのお楽しみ🎶

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（213文字）

とても真面目そうな公務員のおじさんの、ちょっと不思議なお仕事をされている物語。

すごく精密に細かく描写されていて、様子が手に取るように分かるのですが、してることは卵焼きを焼いているんです。

それが何に繋がるの？と、どんどん読み進めてしまいます。

主人公のキャラクター造形も魅力的でした。

現代社会のルーティーンワークを、ファンタジー的な視点で描いたシュールな感じが面白いです。

最後の注意事項も、現実に戻してくれるような、ユーモラスな作品でした。

田中健三はなぜ卵焼きを焼き、それは正確無比を求められるのか。
田中健三の卵焼きと──はどう繋がっているのか。
その先、秘密を知りたい。
そんな物語です。