たぶん俺は今、あいつに呪われている

俺は呪われている

理由の解らない熱が俺を蝕む。

四肢は重く、気だるい身体には力も入らない。

胸が苦しい。動悸もひどい。

食事も喉に通らない。

俺の体は、日に日に衰弱していく。

別れた女の顔がチラつく。

確かに、円満とは言い難い別れ方をしたさ！

でも、そうするしかなかったんだ！

お互い様じゃないのかよ！

俺だってなぁ！

あぁ！！

目を瞑っても、女の顔が頭から消えない。

たぶん…俺はもうすぐ死ぬ。

あいつが、俺に呪いをかけたんだ。

畜生！

そんなに俺が憎いのか！

死を覚悟する程に憔悴した、その時。

別れた女の、訃報が届いた。

そこで俺は知る。

我が身を焦がす程に相手を呪っていたのは、俺のほうだったことに。