転生した大賢者は二度目の人生を『不老の図書館』で送る

かつて世界を破滅から救い、『大賢者イリアス』と呼ばれた男は、その人生の全てを費やして『悠久の叡智の図書館（アルカナス）』を築いた。それは、いかなる時代の、いかなる文明の知識も失われないよう、物理的な蔵書と、魔力的な情報記録の両方で守られた『知識の守護塔』だった。

しかし、大賢者イリアスは寿命には勝てず、静かにその生涯を閉じた。

それから200年。

人々は図書館の存在を忘れ、その場所を知る者はほとんどいなくなった。ある日、図書館の最深部、イリアスの研究室だった場所で、一人の少年が目覚める。

少年は、自身の肉体が死ぬ前のイリアスが12歳の頃の姿であること、そして、脳裏には大賢者イリアスの全ての記憶と知識が刻まれていることを悟る。

彼は大賢者イリアスであり、同時に、幼い少年エリウスとして…続きを読む