親友であった二人。自分の友達を「だれよりも善人だ」と証明するため、みずからが放火魔となり、その理論を立証しようとするナユタ。この友情はゆがんだ愛であり、しかしそれでいてナユタの行為が正しくもあると錯覚させるような仁義すら垣間見えるようです。友愛がテロへと変じるとき、人道を外れゆく二人の結末やいかに———。「善」と「悪」が交差し相反する「慈悲」と「暴挙」が共存する世界観に、悪事なることとわかりながらどこか同情をかきたてられる、ダークで不思議な作品です。ぜひ、ご一読ください。
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