第57話 おわりに
皆さん。
この記録を最後までご覧になりましたね。
あなたは、もうお気づきのはずです。
この記録は、単なる記録ではありません。
水野たちが残した映像が「呪いの記録」であったように、この本そのものが、あなたに届けられた新たな「呪いの記録媒体」なのです。
「まえがき」は、警告でした。触れてはいけない記録に触れれば、「あなたも当事者になる」という。
そして、あなたはその警告を乗り越え、物語を最後まで読み、知ってしまった。
榊小夜という、魔女の名前を。
彼女がVVヒルツ4201号室に潜んでいるという場所を。
そして、彼女がどのようにして贄を選ぶかという方法を。
あなたは、呪いが発動するための条件を、すべて満たしてしまいました。
私はもう抗えません。
それではさようなら。
これから行ってきます。
断章・連続誘拐事件に関する取材班の記録 秦江湖 @kouden
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