概要
死を逃れた暗殺者は、生きる罰を選ばされた。
本名宮藤結愛。元暴力団員、数々の世界の要人を殺した暗殺者。役者以上の演技力と技術で男女問わず惑わせてきた魔性の女。そして親殺し。それが翡翠だった。仲間の裏切りで命を絶えた彼女に神が下した天罰は、別の人生――後宮で虐げられる若い妃・雲月蘭(ユン・ユエラン)の肉体へと投じる。与えられたのは「生きて償え」という、地獄よりも苛烈な刑罰。か弱く、魔力の低い身体で、翡翠は己の冷徹さと暗殺術を武器に、後宮という迷宮を静かに、正確に切り崩していく――これは赦しでも復讐でもない、生き延びるための戦いの物語。