テンポ抜群の現代SFファンタジー

人の心の中の絶望が生み出した、ロストという名前の怪物に立ち向かうDSIという組織。その組織に所属する男女の中学生を主人公とした、現代バトルジュヴナイルファンタジーです。第6話まで読みました。

小説の作法をきちんと守っているため、非常に読みやすいのは高ポイントです。また、簡にして要を得た文章で書かれた、非常にテンポの良い描写が心地よく、どんどん読めます。

その一方で、ちょっと展開が速いようにも感じました。敵をやっつけるのではなく、救うために戦うというのが特徴ですが、展開の速さから十分それが感じられない場面も。これはテンポの良さとトレードオフですから、仕方のないことでしょう。web小説であることを考えれば、これも十分ありかもしれません。

主人公である明日香と誠司には、恋愛感情はない純粋な仕事上のパートナーとして書かれています。ここは好みが分かれるかも知れません。中学生なのだから、もう少し恋愛方面に振っても良いような気はするのですが、しかしあえてそこに踏み込まないことで、ストーリーを純粋に味わえるとも言えます。

気軽に読めて、それでいて重厚さも感じられるアクションものをお探しの方に、お薦めです。

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